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ファーウェイのチップセット、7ナノで足踏み “5ナノ”の限界に直面か
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Joshua Gallagher
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A seasoned journalist with over four decades of experience, Joshua Gallagher has seen the media industry evolve from print to digital firsthand. As Chief Editor of The Economy, he ensures every story meets the highest journalistic standards. Known for his sharp editorial instincts and no-nonsense approach, he has covered everything from economic recessions to corporate scandals. His deep-rooted commitment to investigative journalism continues to shape the next generation of reporters.

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ファーウェイ、次世代APの5ナノ量産に支障の可能性
EUVなど必須装置の不足により5ナノ歩留まりは約30%
既存のSMIC 7ナノプロセスを改良して製造

ファーウェイが今年下半期に次世代スマートフォン「Mate 80」の発売を控える中、当初5ナノメートル(㎚、10億分の1m)プロセスで量産されると予想されていた“モバイルの頭脳”アプリケーションプロセッサ(AP)が、7㎚プロセスで製造されるという見方が出ている。極端紫外線(EUV)露光装置など半導体の先端装置に対する米国の輸出規制により、ファーウェイは中国最大のファウンドリー(半導体受託生産)企業SMICと共に先端プロセスを開発してきたが、5㎚プロセスの量産には支障が生じたと分析されている。

Kirin 9030、7ナノで量産

10日、半導体業界によると、ファーウェイの次世代スマートフォンモデルであるMate 80に搭載される“Kirin 9030”は、SMICの7㎚プロセスで量産される見通しだ。ファーウェイは設計およびプロセスを改善し、Kirin 9030が前作比で全体的な性能指標を約20%向上させると見込んでいる。これに関連して英国のフィナンシャル・タイムズ(FT)は「ファーウェイはAI半導体およびAPを7㎚プロセスで量産するため、中国・深圳に先端生産ラインを建設した」とし、「自社で先端半導体を量産するための試み」と報じた。

中国は米国の半導体装置輸出制裁により、EUVなど先端プロセスに用いられる半導体装置の輸入が不可能である。このためファーウェイは独自にチップを開発し、中国のファウンドリー企業SMICなどと代替案を模索している。EUV装置の前世代に当たる深紫外線(DUV)露光装置を用いて7㎚以下プロセスのAIチップを量産しているが、歩留まりおよび性能は競合他社と比較して劣るとの評価を受けている。ベンチマーク性能指標によれば、SMICの7㎚プロセスで製造されたKirin 9000sの性能は、クアルコムが3年前に発売したSnapdragonシリーズと同等の水準であるとされている。

ファーウェイ“5ナノチップ”は誇大広告だったのか

このような中、SMICが5㎚プロセスを開発したと伝えられ、これを用いてファーウェイの次世代APが量産されるとの見方が広がった。そのきっかけは、先月MateBook Foldが5㎚プロセスのKirin X90を採用したとの報道による。しかし半導体業界によれば、Kirin X90チップは当初の報道とは異なり、SMICの7㎚プロセスで製造されたという。これは昨年スマートフォン「Mate70」シリーズに搭載されたKirin 9020 APと同一のプロセスである。

今回のKirin 9030も5㎚の量産に支障が生じ、既存のAPを量産していた7㎚プロセスを活用する計画だと伝えられている。歩留まりの問題などにより生産単価が急騰し、経済性が確保できなかったことが主な理由とされている。ある業界専門家は「EUVなしに5㎚プロセスを実現するには、歩留まりの低下と高コストを甘受しなければならない」とし、「今回の件をきっかけにファーウェイの競争力が過大評価されていた側面が露呈した」と説明した。

実際、中時新聞網および聯合報など台湾メディアによれば、SMICの5㎚半導体微細プロセスの量産歩留まりは20%または50%前後にとどまると推定されている。これを受けて台湾メディアは、SMICの5㎚プロセスの歩留まりが市場競争力を持つにはまだ程遠い段階であるとの見解を示している。一般的にファウンドリー市場では、歩留まり70%以上を達成して初めて量産可能な水準と評価されるためだ。ファーウェイの任正非CEOも最近、国営紙「人民日報」とのインタビューで「我々の単一チップは依然として米国より一世代遅れている」とし、「物理的限界を数学的アプローチ、非ムーアの法則、クラスタコンピューティングによって補完している」と述べている。

ファーウェイAscend AIチップ/写真=ファーウェイ

来年のSMIC 5ナノ量産に“死活”をかける

問題は、技術格差がさらに拡大しかねない点である。サムスン電子やアップル、シャオミなどグローバルスマートフォン企業は、プレミアム製品に3㎚プロセスが適用されたAPを搭載している。特にサムスン電子とアップルは、今年下半期から2㎚プロセスが適用されたAPの量産に入ると予想されている。一方、ファーウェイはEUVの代替技術を開発中とされるが、まだ可視的成果は出ていない。

またファーウェイは、5㎚プロセスの円滑な量産に向けて死活をかけているとされる。ファーウェイと協力して装置を開発しているとされる中国の半導体装置企業「サイキャリア」は、今年3月に開催された「セミコンチャイナ2025」で微細プロセスに適用可能な装置ソリューションを多数公開した。この企業は、5㎚プロセスでEUV露光装置を代替できるDUV装置プロセスの特許を登録したと伝えられている。

この他にもファーウェイは、自社のチップ性能を最大化するために、プロセス最適化などSMICとの協力を強化しているとされる。香港サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は「サイキャリアは2年前、DUV装置を用いて5㎚半導体を製造する特許を登録した」とし、「これはSMICがDUVを用いて7㎚プロセスでファーウェイのアプリケーションプロセッサ(AP)を製造したこととも関連している」と報じた。

ただし、DUV装置を活用する場合、EUV装置に比べて精密度が劣るため歩留まりが低下する。EUVの代わりにDUVを用いる場合、半導体のレジスト位置を調整しながら複数回光を照射する必要があるためだ。通常、5㎚製造工程ではEUVを用いると露光作業は1回、多くても2回で済むが、DUVで代用する場合、最低でも4回以上繰り返す必要がある。手順が複雑になる分、歩留まりも不安定にならざるを得ず、半導体の性能も低下する可能性が高い。

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