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米上院外交委員会:「トランプ外交は同盟を遠ざけ、中国の影響力だけを拡大する」と批判
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Nathan O’Leary
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Nathan O’Leary is the backbone of The Economy’s editorial team, bringing a wealth of experience in financial and business journalism. A former Wall Street analyst turned investigative reporter, Nathan has a knack for breaking down complex economic trends into compelling narratives. With his meticulous eye for detail and relentless pursuit of accuracy, he ensures the publication maintains its credibility in an era of misinformation.

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同盟国に防衛費引き上げを要求しつつ、関税措置で足並みが乱れる
半導体法に基づく補助金撤廃は中国にのみ有利
同盟国への圧力が中国との経済的結びつきを強化
ドナルド・トランプ米国大統領/写真=ホワイトハウス

「アメリカ・ファースト」を掲げるドナルド・トランプ前大統領の外交政策が、中国の外交的影響力拡大の好機となっているとの批判が上がっている。トランプ政権2期目の各種政策は、同盟国との関係を疎遠にし、結果的に中国と対抗するアメリカの能力すらも弱体化させているというのが要点だ。加えて、ロシア・ウクライナ戦争に対する消極的な関与、国際機関からの脱退試み、対外援助の削減などは、アメリカの外交的信頼性を構造的に損なう結果を招いている

誤った外交で米国の国力が低下

14日(現地時間)、米上院外交委員会所属の民主党議員らは、委員会のウェブサイトにて「退却の代償:アメリカは世界のリーダーシップを中国に譲る(The Price of Retreat: America Cedes Global Leadership to China)」と題した91ページの少数派報告書を公開した。本報告書は、上院外交委員会民主党幹事のジーン・シェヒン(Jeanne Shaheen)議員の依頼により、援助関係者、専門家、外国政府関係者らへのインタビューをもとに作成された。

報告書は、中国がこれまで以上に米国にとって戦略的な脅威として浮上しているという認識のもと、過去6ヶ月間のトランプ2期政権の外交政策を評価。中国をけん制するための多くの手段を放棄したと指摘している。特に、半導体法に基づいて行われた投資の多くは、韓国や台湾といった近しい同盟国の企業によるものであり、同法が廃止されれば中国に有利に働く可能性が高いと報告書は述べている。

また、トランプ政権が米国国際開発庁(USAID)を廃止しようとし、対外援助予算を大幅に削減したことにより、中国との競争においてアメリカが利用できる手段が失われたと指摘。国際社会では中国がすでに40カ国以上で最大の援助国となっており、年間数十億ドルをプロパガンダと報道統制に投入している。一方、トランプ政権はVOA(Voice of America)、RFA(Radio Free Asia)などの米国政府傘下メディアの廃止を試みた点も問題視されている。

さらに、世界保健機関(WHO)などの国際機関からの脱退を試みたことも、国益を損なう措置であると批判。また、米国の大学や留学生に対する各種政策により、優秀な人材の流出リスクも指摘されている。シェヒン議員は、「トランプ大統領が同盟国を攻撃し、外交ツールを破壊し、敵を受け入れている間に、中国は影響力を構築し、関係を拡大し、世界秩序を自国に有利なように再編している」と述べた。

ドナルド・トランプ米大統領は、今月7日(現地時間)に「韓国との貿易関係は相互的ではない」と主張し、書簡を公開した。その中には、来月1日からすべての韓国製品に対して25%の相互関税を課すという内容が含まれている/出典=トランプ大統領トゥルースソーシャル

関税攻撃で同盟国の連携が強化される皮肉

トランプ政権の「関税爆弾」も批判の対象だ。報告書によれば、関税は米国経済に深刻な損害を与えたばかりか、長年の同盟関係を弱体化させている。特に韓・中・日経済通商大臣会合(5年ぶり開催)が、関税の影響で三国間の経済協力を促進している例として挙げられた。トランプ大統領は最近、韓国と日本に対し25%の相互関税を課すと予告しており、これが韓・中・日協力を後押ししていると報告書は指摘している。

また、防衛費増額要求と関税が矛盾している点にも言及。トランプ政権はインド太平洋地域の同盟国に対し、GDPの5%を国防費に充てるよう要求する一方、関税政策がこれらの国々の防衛費増額を妨げていると分析している。韓国が関税による経済的打撃を和らげるため、今年4月に12.2兆ウォンの補正予算を編成したことを例に挙げ、その額が2022年の韓国の国防予算の約20%に相当することを説明している。

さらに、7日にはトランプ大統領が23の貿易相手国に一括して20〜50%の関税を課す旨の書簡を送付。特に欧州連合(EU)やメキシコに対しては、当初の発表より高い30%の関税を課す方針を示し、相手国の強硬な対応を誘発している。

実際、EUは米中心の世界秩序に異を唱え、WTOに代わる自由貿易体制の構築を提案。NYTは「米中を除外した貿易枠組み構想も出ている」と報道。EUはカナダ、日本などと関税共同対応を協議する一方、インドネシアとのFTA年内締結、CPTPPとの連携など行動範囲を拡大している。

メキシコとブラジルも、アメリカ発の関税圧力に対抗するため、経済的協力強化を模索しており、ルラ・ダ・シウバ大統領は両国の経済連携の意思を明確に表明した。

就任初日で戦争を終わらせると豪語も、成果なし

トランプ大統領がロシア・ウクライナ戦争において実質的な仲裁や外交的ロードマップを提示できていないことも、リーダーシップへの不信を招いている。就任前には「1日で終わらせられる」と豪語していたが、6ヶ月が経っても進展はなし。停戦交渉も一貫性を欠き、就任100日以内にはウクライナを圧迫する姿勢を見せ、欧州同盟国を軽視。プーチン大統領を擁護するも、成果は皆無だった。

5月にはウィトコフ特使をロシアに派遣したものの、目立った成果なし。トランプ大統領は、ウクライナに領土の一部を放棄するよう圧力をかけ、拒否すれば停戦交渉から離脱すると発言。だが効果がないとみるや、今度はロシアに対する圧力を強化し、ナトー事務総長との会談で「50日以内に停戦が成立しなければ100%の関税を課す」と宣言。「第2の関税」と名付けた。

さらに、トランプ大統領は米国製武器をウクライナに迅速に供給すると発表しつつも、無償提供ではなく欧州同盟国に費用負担を求める姿勢を見せている。これに対し、ドイツは困惑。トランプ氏は「ドイツはパトリオットを17基保有」と発言したが、実際には12基のうち3基をすでにウクライナに提供、2基はポーランドへ貸与済み。残る6基のみが運用可能で、ドイツ国防相は「これ以上は支援できない」と明言した。

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